ガガガSP
人生の困難をシラフで全て受け止める。
神戸を代表する青春パンクバンド“ガガガSP”が、2022年1月19日にニューアルバム『THEガガガSP』をリリースしました。結成25周年イヤー開幕となる通算12枚目のオリジナルアルバム。最新シングル「ロックンロール」「これでいいのだ」という2つのバンドアンセムを軸に、自由度高く多彩で痛快な爆音のパンクロックを詰め込んだ全8曲を収録!
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ガガガSP”のコザック前田による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 やはり素晴らしきこの人生 」に通ずるお話。<人生の困難をシラフで全て受け止める>というワンフレーズにたどり着いた理由とは…。是非、歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。
今年の1月19日に12枚目のアルバム『THEガガガSP』をリリースした25周年の僕達ですが、今回のアルバムは計8曲という少ない曲数で作ってみました。ガガガSPにはソングライターが3人居て、最近の主な曲作りはギターの山本がしてて、今回のアルバムも5曲を手掛けています。そしてベースの桑原が1曲、僕が2曲の合計8曲。
他の人の歌詞を歌う時はあまり作った人間にどういう意味を持って作ったのかは聞かず、あくまで個人的に持った印象と解釈で歌うようにしています。
曲というものは野球で言うとボールの様なものだと思っていて、投げてしまうとそれを打つバッターの感覚次第だと言うのが25年間の僕の考えでもあります。凄い心に入ってくる曲ならば凄い気持ちよくお客さんは打ってくれるし、あんまり残らなければ平気で見逃すでしょうし。
こちらがどれだけ熱意を持って投げたボール(曲)であっても、打ち手(お客さん)はそれぞれハマるかハマらないかがあると思うのと、ボールは投げてしまえば全てお客さんのものという感じもあります。
こちらがどんな意味で作ったかとかは関係なく聞いてくれる人の主観で意味も全部曲げてもらっても構わないのではないかなと。なのでこの「歌ネット」に書くことはあくまでも投げ手の主観なので、まあまあ読んでやろうか!?くらいで良いと思っています。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたね(笑)。今回は新しいアルバムの4曲目に入っている「 やはり素晴らしきこの人生 」という曲の中の歌詞<人生の困難をシラフで全て受け止める>という部分について少しお話し致します。
僕は30代、お酒と睡眠薬の常用で年がら年中ほぼ酩酊状態の日々を送っていました。完全なる依存症です…。依存症を自分でどうすることも出来なくなって、入院したのが38歳の時。そこからお酒も睡眠薬も一切飲まなくなったのですが、30代という人生でとても重要な時期をほぼ空白で過ごしました。
と言うか、20代でバンドが少し人気が出て、自分自身も浮かれていたんでしょうね。30代に入ってその人気にも翳りが見え始め、自分の勢いも無くなってきて、周りに人も減ってきてその現実を突きつけられる事から逃げていたのかもしれません。そこから常に自分を何かで酔わせておかないとやってられない様な心境になっていきました。
ただただ自分の甘えでしかないのですが、沢山の人達にも迷惑をその間にかけました。言うなればよく死ななかったな…。と思うほどです。なのでこれから先の人生で大変なことがあってもシラフで全てを受け止めてやろうという決意の歌詞でもあります。
そうは言っても「依存症」という病気は一生完治することのない病なので、これから先、決意だけではどうしょうもない時も来るかも知れないのですけど、今生きてる事を噛み締めて、30代をフイにしてきた分この40代を実りのあるものにしたいと思っております。
色んなことがありましたけど「やはり素晴らしきこの人生」と思えるようにこれからはもっと半径5メートルの周りを大切にして生活していきたい所存であるという歌詞です。25年目、まだまだ若造です(笑)。皆様ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
なんか文章硬いな…(笑)。最後までありがとうございました! <ガガガSP・コザック前田> ◆紹介曲「 やはり素晴らしきこの人生 」 作詞:コザック前田 作曲:コザック前田
◆12th ALBUM『THEガガガSP』
2022年1月19日発売
OSRCD-017 ¥3,080(税込)
<収録曲>
1.これでいいのだ
2.oiの中の蛙
3.妄想天国
4.やはり素晴らしきこの人生
5.ニートザンス
6.奮闘努力節
7.ロックンロール
8.遠い遠い